手根管症候群

• 人差し指、中指にしびれがあり、痛みがある
• 時には、しびれは親指や薬指も痛くなる場合もある
• 手のひらの全体が痛むように感じる
• これらの症状はしばしば夜間や明け方に強くなる
• 親指の付け根(母指球)が痩せてきた
• 細かい作業がやりづらい

指先の感覚や手の運動において手指や手首の関節を曲げるなどを司る正中(せいちゅう)神経が、手首の手根管(しゅこんかん)という狭い管の中で圧迫されることで、しびれや痛みが生じる症状です。

手根管症候群の発症には、手首の構造が深くかかわっています。

手根管は手首の中央部にあり、骨と靭帯に囲まれたトンネル状の空間です。手根管の中は正中神経のほかにも指を曲げる9本の腱が通っています。

手根管内の圧力が上昇したり外からの力による損傷があったりすると、正中神経の圧迫が生じやすいです。

下記のイラストをみてもらうと、分かりやすいかなと思います。

• 痺れが続いたりするようになる
• 親指と人差し指で丸を作るようなOKサインが出来なくなる
• 指の感覚が感じにくくなる
• 指の付け根が通常ではふっくら丸みが、痛みや痺れとともにだんだん平たくなり、丸みがなくなる

ちなみに、小指側には痺れや痛みが出ません。

もし小指側に痺れや痛みが出る場合は、肘部管症候群の可能性があります。

手根管症候群は、体の特徴や持病、仕事や環境など、いくつもの要因が絡み合って起こる多因子疾患なので、「これが原因！」と一つだけ指摘するのは難しい疾患です。

手首や指の使いすぎによって手根管のまわりの炎症が原因になる場合もあり、同じ動きを繰り返したり、振動する道具をよく使ったりすると炎症が高まります。

手根管を通る筋肉の腱が炎症を起こし、腱鞘炎になることも原因のひとつとなります。

• 仕事で手を酷使する人
• ＰＣでのデスクワークの人
• 野球、テニス、ゴルフなど手首を使うスポーツをされる方

このような職業の方も、指や手首の使い過ぎになりやすいですね。

普段の日常生活や、職業上で繰り返ししなければいけない動きは、手根管症候群の発症リスクがアップする場合もあります。

特に注意が必要なのは、手首に負担をかけるような動作を繰り返すことや、よくない姿勢を続けることです。

妊娠中や出産期の女性、更年期の女性に発症することが多く、女性ホルモンの乱れが原因の1つ。

この場合、女性ホルモンが乱れることで腱鞘がむくみ、手根管の内部からの圧力が上がって正中神経が圧迫されています。

年齢を重ねていき、ホルモンの変化で、手首の組織に変化が起きることがあります。

手根管症候群は、40歳以上の女性に多い病気です。

ホルモンバランスの変化や加齢による組織の変性が関係していると考えられます。

• 糖尿病
• 甲状腺機能低下症
• 妊娠（特に後期）
• 腎不全
• 腎臓疾患のある方

様々な状態の方が手根管症候群に、人工透析を長期間受けている人も手根管症候群になりやすいと言われています。

理由は、アミロイドというたんぱく質が手根管内にたまることで、正中神経を圧迫するからと考えられているからです。